多焦点眼内レンズの基礎知識
多焦点眼内レンズとは
白内障手術で挿入する人工の眼内レンズ(IOL)のうち、遠くと近く(あるいは中間距離)の複数の距離にピントが合いやすいレンズを「多焦点眼内レンズ」といいます。白内障手術と同時に用いることで、術後にメガネに頼る場面を減らせる可能性があります。
単焦点との違い
- 単焦点:1か所の距離にしかピントが合いません(遠方または近方どちらか)。保険適用で費用負担は抑えられますが、術後もメガネが必要になる場面が多くあります。
- 多焦点:複数の距離にピントが合いますが、ハロー・グレア(光のにじみ・まぶしさ)を感じやすい、コントラストがわずかに低下する等のトレードオフがあります。
レンズの種類
- 2焦点:遠方と近方の2距離
- 3焦点:遠方・中間・近方の3距離
- EDOF(焦点深度拡張型):遠方から中間距離までなめらかにピントが合うタイプ
- 乱視矯正機能つき(トーリック):乱視が強い方向け
費用の仕組み(選定療養)
2020年から、一部の多焦点眼内レンズは「選定療養」の対象となり、手術代は保険適用、レンズの差額のみを自費で支払う仕組みで受けられるようになりました。差額はレンズの種類・施設により異なり、片眼あたり数万円〜数十万円程度と幅があります。選定療養に該当しないレンズは全額自費(自由診療)となります。
掲載の根拠
本ガイドの掲載施設は、関東信越厚生局が公表する「保険外併用療養費医療機関名簿(東京都・令和8年6月1日時点)」において、多焦点眼内レンズの選定療養の届出が確認できた医療機関です。届出のない施設でも自由診療で多焦点レンズを扱っている場合はあります。
このページの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。適応の判断・レンズの選択は必ず眼科医にご相談ください。